漫画、猫人間暮らし。

猫の母娘(ちよ、くー)、ハムスターのひまわり、人間のふわふわしたコマ漫画です。あとイラストや雑記。人間が若干患いがちな為、字が読みづらいと言うことは平身低頭にてお詫び致します、、!

ナニーズ☆ハニー前編(百合エロ小説)

 それは、むかしむかしの記憶。


「むーちゃん。これね、誰にも言ったらダメよ?」


「なになに?ないしょのおはなし??」


「そーよ。あのね、あたし、おっきくなったら、スーパーおかーさんになりたいの」


「スーパー…おかーさん?」


「そう。お仕事もして、赤ちゃんも育てて。何でも出来るおかーさん」


「ふーん…。でもさ、赤ちゃん育てながらお仕事するのってすっごく大変だって、うちのおかーさん言ってたよ」


「そうなの…?」


 私の言葉に、彼女の顔はみるみる曇っていった。

 だから、私は約束したんだ。


「でも大丈夫!お仕事してる間、赤ちゃんは私が育ててあげるから!」


「それじゃスーパーおかーさんにならないよ…」


「いーじゃん!二人でスーパーおかーさんになれば!」


「なあにそれ~」



 私の記憶は、そこまで。

 彼女の笑顔で途切れてしまっている。


 でも、私は約束した。


 だから、二十年後の私は。


「おはようございま~す!ハニーベビーから派遣されて来ました、ベビーシッターの紺野六実(こんのむつみ)でーす!」


 素敵なお母さんになりたいと言っていた、名前も忘れてしまった幼なじみを探すために。ベビーシッター、やっちゃってます。



     ♀ナニーズ☆ハニー♀



「本当に助かるわ。急に風邪を引いちゃったものだから…ゴホッ」


「もう!無理してお茶なんか出そうとしないでください。具合が悪いんだからちゃんと横になってなきゃ」


 本日のベビーシッターの依頼人は、年齢28歳、五ヶ月の女の子のお母さん。


 黒髪ボブの色白さんで、容姿は和風テイスト。


 幼くて愛らしい雰囲気は大和撫子って言うより、こけしちゃんの方がしっくりくるかも。



「今日は和風ロリータ系か…」


「え?なあに?」


 いけない。心の声が漏れてしまった。


 私は慌てて話題を奥さんの旦那へと移した。


 すると出てくる出てくる。


 良く言えばのろけ。

 まぁぶっちゃけ悪口。


「あの人ね、結婚前は家事は半分こにしようね!何て言ってたのに、今は食後の食器すら片付けてくれないのよ?この子の世話だって、遊びの相手はするけどウンチのオムツなんか絶対取り替えてくれないし!」


「うんうん。ひどいですねー」

 

「今日だって私が具合悪いって言っても、そそくさ仕事行っちゃうし…あの人、私のことなんかどうでもいいんだ…」


「そんなことはないと思いますよ?」


「どうして貴女にそんなことわかるのよ!?旦那は私のことなんて…!」


「どうして…ねぇ」



 私はリビングをぐるっと見渡した。


 あちこちに置かれたフォトフレーム。


 四角や丸の中では、奥さんと赤ちゃん、そして旦那さんが、ピッタリと寄り添っていた。

 新婚時から最近撮られた写真に至るまで、焦点には三種類の輝くような笑顔。


 それから、この家に漂う穏やかで優しい空気。

 これは、紛れもなく相思相愛で作られたもの。


 そんなもの達にあてられて、誰が旦那の愛を否定できようか。


 しかし、血が昇り風邪で頭がよく回っていない奥さんを説き伏せるのは、なかなか難しい気がした。



 …だから、仕方ないよね?




 強引な理由付けをして、私は涙目になっている奥さんの身体を引き寄せて囁いた。



「旦那さんの代わりに、教えてあげましょうか?旦那さんが、奥さんのことをどう思っているのか」



 奥さんの小さな身体が、私の腕の中で小さく震えた。




後編へ続きます。

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