漫画、猫人間暮らし。

猫の母娘(ちよ、くー)、ハムスターのひまわり、人間のふわふわしたコマ漫画です。あとイラストや雑記。人間が若干患いがちな為、字が読みづらいと言うことは平身低頭にてお詫び致します、、!

身長差八十センチメートル也。疑似成長※GL

「どうだ?いい眺めだろう。やっぱり高い所は気持ちいいだろ~?…なあオイ、何とか言えよガキ!」



「…ワタクシはガキではなくてよ。もうよろしいから降ろしてくださる?」



 枯葉が華麗に舞う寒空の下。


 ワタクシは、想い人のカラダの上に乗っている。


 …と、ピンク色の想像は止めていただけるかしら?


 上と言っても、その場所は肩であり、正確に言えば担がれている。


 …そう、ワタクシは今、このムダに馬鹿デカい女性に、肩車されていますの。


 98センチメートルの私に対して、彼女の身長は178センチメートル。


 この大きな身長差が、5才児のワタクシと、18才の彼女の距離をニョジツに表している。


 しかしそんな私の憂いなど露知らんと言わんばかりに、当の彼女はワタクシが生まれたときから変わらない、乱れた口調で発言を続ける。



「何だよ、お前がアタシよりデカくなりてえってブーブかブー言うから肩に乗せてやったんだろうが。それを乗った途端ニコリともせず降ろせとはどういうアレだ!」

 


「ブーブかブーなんてはしたない擬音、ワタクシは言った覚えはありませんわ。ワタクシはブタさんではありませんもの。良いから、降ろしてくださいませ」



「はんっ!折角乗せてやったのに誰が簡単に降ろしてなんかやるかよ!こうなりゃキャッキャッとガキらしく喜ぶまで一生降ろしてなんかやらねえ!」



 …一生って、アナタは幼稚園児であるワタクシのクラスメートですの?


 彼女と言う女性は、大変愛くるしい見た目と性格をしているのだが、色々と少し、いや、かなり足りない。



 …しょうがありませんわね…。

 不本意ですけれど、この状態が続くのはワタクシも辛い。



 ここは心をオニさんにして…。




「うわあああん!!!レンおねぇちゃんがむりやりかたぐるまするよー!!!こわいよおこわいよおお!おばちゃあああああああん!!!」



「なああっ!!!???」



 ワタクシの天を貫く泣き声を聞きつけたおば様(彼女の母親)は、マッハで参上するや否や、彼女の顔を赤や青に変色させた。


 言葉と拳での説教フルコースが一段落すると、おば様は彼女にワタクシを家まで送るように命じた。



「仕方ねーな…。ホラ行くぞ」


「うん」



 ワタクシたちは手をつないで彼女の家を離れた。




 ワタクシと彼女の家は、ワタクシの足で歩いても五分もかからない。


 行きはこの近さに喜びを感じ、帰りは怒りを覚える。

 


 ドウロコウダンは、まずこの問題をいち早くどうにかすべきですわね(無理)。



 そのような感じで意識をあらぬ場所に飛ばしていると、あっという間に我が家に到着してしまった。


 …やはり今こそ意識改変の時ですわ。

 無駄な高速道路等を開通させるより、こう言う所にお金は使うべきですわ(無茶)。


「ミズキ、ホラ、着いたぞ。…おばさんはやっぱりまだ帰ってないみたいだな」



「ええ…」



 冷たい空気を漂わせた我が家に視線を寄越し、ワタクシは頷く。



「…悪いな、最近一緒にいてやれる時間が短くて」



 握られたままの彼女の手に、力が込められた。


 相変わらず、子供のような体温の高さ。ワタクシの一番好む温度。



「…構いませんわ。レンは三年生なのですから、学校の事を優先すべきですもの」



 そう、彼女は今年高校三年生になった。

 ただでさえ受験を控えた身でありながら、バスケ部の副キャプテンを任されているものだから、それはもう目が回る程忙しい。


 子供っぽく足りない部分にばかり目が行くが、彼女は何にでも意欲的な頑張り屋さんなのだ。


 それでも、ワタクシの知らない学校での彼女に想いを馳せて、ワタクシはいつも胸が締め付けられる。


 彼女が頑張れば頑張る程に、ワタクシと彼女との距離は広がっていく…。

 

 どんどんどんどん、追いつけないくらいに。


 だから、ワタクシは願いましたの。

 彼女に負けぬ程大きくなりたいと…。


 それをまあ、彼女は実に彼女らしい間違った解釈で、ワタクシの望みを叶えてくれようとしたのだけれども、アレでは惨めさに拍車をかけるだけ。



 何度言えば、彼女に伝わるのだろうか。ワタクシの、この気持ちは…。



「…レン」



「ん?」



「やっぱり、先程の願い、叶えてはくれませんこと?」



 一瞬でも、いい。



「…さっきの惨状、忘れたのか。見ろよアタシの顔面!!パッチワークか!?」



「ワタクシは肌の色で人を差別したりはしませんわ」



「アタシの言ってるのはそういうことじゃねえええ!!」



「フフ。わかっていますわ。…もう、体格で勝負を挑むのは諦めました。そこでワタクシは、器の大きさでレンを追い越してみたいと思いますの」



 わずかな時間でも、追いつき、追い越せるなら。



「…お前、いつにも増して突っ走り過ぎて訳が解らナイよ…」


 短絡的思考は、子供のセンバイトッキョ。

 それを存分に利用させてもらいますわ。



「それでは、レンのレベルに落として簡単に教えて差し上げますわ。レン、ここにしゃがんでくださる?」



 そう言ってワタクシは、低くなった彼女の頭を両手でわしづかみにし、口に思いっきり想いを寄せた。




 ―――唇から全身に広がる、大好きなレンの、柔らかな甘み。




「な、な、な、なああああああっっっっ!!!????」

 


 案の定茹でたタコになった彼女の表情により、ワタクシの疑似成長は満足な結果を得られ完了した。


 (表向き)冷静なワタクシの方が、きっと彼女よりも大人なハズですもの。



 本当は激しく高鳴る心臓を抑えつつ、ワタクシはいつもの決め台詞で、最後のトドメを刺す。



 「愛してますわ、レン」



 そしてタコは、遂に息途絶えたのだった。



 end


幼稚園児と女子高生のほのぼのラブ。

嵐を呼ぶ園児!にな〜れ。



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