漫画、猫人間暮らし。

猫の母娘(ちよ、くー)、ハムスターのひまわり、人間のふわふわしたコマ漫画です。あとイラストや雑記。人間が若干患いがちな為、字が読みづらいと言うことは平身低頭にてお詫び致します、、!

斑シリーズ 斑の斑を埋めるもの※GL小説

「んん…っ」



 夜明け前の早朝。


 太ももを伝うヒヤリとした気持ち悪さに、わたしは目を覚ました。


 どうやら寝返りをうった拍子に、昨晩の行為の残滓が流れ出したようだ。


 白くて濃密な、わたしと、そして彼女の――愛液。



「うう…全くヤリ過ぎなのよね~この娘は。二桁って有り得なくない?」


 そうちぇっと口を尖らせつつも、傍らで静かな寝息を立てる美女を一度見てしまえば、そんな憤りも霧散してしまうから不思議だ。


 すっと通った鼻梁や、今は瞑られているけれど切れ長の綺麗な眸。そして形の良い薄い唇。



「こんな美人さんが、わたしみたいなオバサンの恋人だなんて嘘みたいだなぁ…」



 そう口に出してみたら、何だか気恥ずかしくなってしまったけれど、それは紛れもない真実なのだから仕方ない。



 そう。



 このわたしと一回りも年が離れてる、綺麗な綺麗な女の子は、わたしの恋人なのだ。


 意地悪で意地悪で本当に意地悪だけど、大切な大切なわたしの、好きな人。

 


 夫と別れて、二十年も専業主婦をやっていたにも関わらず、全く料理が上達していないことに今更ながら気付いたわたしは、ある日お料理教室に入会した。


 始めは何かと気を遣ってくれた同年代の奥様方や若いお嬢さん方も、何ヶ月経ってもいっこうに上達しないわたしを段々と煙たがり始めていた。



 確かそんな頃だったっけ。



 片隅でションボリと卵をかき混ぜているわたしに、入会したての彼女が話しかけてくれたのは。



「俯きながら卵を混ぜられると、貴女の不潔なフケが落ちて混入されるかも知れないんで、シャンとしてくれますか」



 ……そうだ。


 そう言えば最初に聞いた彼女の声はこんな酷いこと形にしてたよ。


 でも怒るより先に声をかけられたのが嬉しくて、わたしはうんうんうんうん頷いて言う通りにした。


 それから彼女は、慣れた手つきで私の混ぜた卵をフライパンで巻き、綺麗な玉子焼きを作り上げてひと口食べてこう言った。



「塩味がきき過ぎです。貴女、フケだけじゃなくて涙も混入してたんですか。今後一切こんな事がないよう、これからは私が付きっきりで面倒みてあげますよ」



 それからわたしは、ひとりじゃなくなった。

 


 顔が良くてスタイルも抜群で、おまけに小さな子供でさえ会社名を言えばああと頷く一流企業に勤めている彼女は、言わずもがなモテた。


 老若男女問わずモテまくった。


 当然彼氏も、佃煮にしてご近所さんにお裾分けするくらいいるのだろうと思ったら、彼女はあっさり首を横に振った。




「じゃあ好きな人はいるの?」



 いつものお料理教室の帰り道。


 講義中ミスする度にしゃもじでぶっ叩かれたお尻をさすりつつ、わたしは何とはなしにきいてみた。



 そうしたら、いつも淡色の彼女の瞳が、一瞬濃くなった。



 どうしたのだろうと心配になって顔をのぞき込んだら、物凄い速さでわたしは抱き締められてしまった。



「なななな、なにごとーーっって、く、くるしぃよぅ…っ!」



 衣服越しでもハッキリと分かる、大きくて張りの良い彼女の胸がぎゅうぎゅう締め付けるので、息苦しくなくなって彼女の背中をぺちぺち叩く。が、効果はない。


 それどころかますます締め付けは強くなり、仕舞にはじっとしてなさいと命令されてしまった。

 


 どれくらいそうしていただろう。


 そろそろ骨に罅が入りかけちゃうな…と観念した瞬間、いきなりぱっと解放された。



「ぷはあっ!な、ほ、ほんとにどしたのよ~!」



 ぷんすかと抗議しては見るけれど、彼女は今までわたしを拘束していた手の平をじっとみるばかりで、耳を貸す気配はない。


 さすがのわたしも頭に来て、そのまんま帰ってやろうと無言できびすを返そうとした時だった。


 ポツリと、闇に掻き消えそうな彼女の声が小さく聞こえてきたのは。





「…置いていかないで下さい」




 えっと振り返った途端、わたしの口は、グロスに濡れたそれで塞がれた。



 そして、先程とはまったく別人のような威圧感たっぷりの声で、今度はこう囁かれた。





「教えてあげますよ。私の答えを――貴女のその渇いたカラダに、直接、ジックリ、タップリ、懇切丁寧に…ね?」





 …その後はもう、わたしはひたすら後悔するばかりだった。


 あんな質問するんじゃなかったよぅ……ぐすん。

 

 でも、確かにその時は後悔したりもしたのだけど、今は違う。


 意地悪で自信たっぷりの彼女に、一縷の弱さを見つけてしまったから。



 それはまるで幼子のように、彼女を幼く見せる。



 彼女とわたしは、自分で言うのも月とスッポンで、彼女の隣に並べるような器じゃないってわかってるけど。


 ついでに毎晩毎晩痛い思いもさせられるけど…(ってアレほんっと痛いんだよ!?いや、確かに気持ち良いときもあるけど…回数が多すぎるしぃ)





 ――わたしは彼女のそばにいたいんだ。



 何度聞いても、好きだって言葉にはしてくれないけれど。


 もしかしたら、彼女は本当は、わたしのことなんか何とも思ってないのかもしれないけど。




 ――わたしはほんっとに、君が好きなんだよ?




 明るくなり始めた窓に照らされてる彼女のほっぺたを、指先でつんつく突つきつつ(起きてる間こんなことしたら、蹴られるか別の物で別の所を突つき返される)、つらつらそんな事を考えていたら、段々と眠気が襲ってきた。


 ふわわあっと欠伸をして、もう一回寝ようっと枕に鼻を埋めようとしたら、いきなりぶちぶちぶちっと髪の毛をむしられた。



「いひゃあああいっっ!!!な、なんなの!?毛根の乱!!??」



「人の寝込みを襲うとは、イイ度胸してますね」



「あ、お、起きてたの…?ぐ、ぐっもーにんぐ★」



「確かにグッドな朝ですね。貴女の方からお誘い頂けるなんて」



 ふっと微笑を浮かべた彼女の胸に反射的に目をやれば、一糸纏わぬその先は既に目に見えて固くなっていた。



「さささ、誘ってないよぅ!?てか何でいつの間にそんな固くしたのよぅっ」



「貴女だって固く尖ってる方がしゃぶりがいがあるでしょう?ド淫乱が」



「質問に答えてないよそれ!てか淫乱は君のほ」



 う。



 母音は彼女のキスの波に飲み込まれた。



「…ん…。確かに、私は淫乱ですよ。ただし、貴女に限ってだけです。乳首やアソコが勃起するのも、それを擦り合わせたいと思うのも、いつかはこの干からびた肉体を、注連縄で締め上げてやりたいと思ってるのも――貴女だけですよ」

 


「君そんな事思ってたの!?む、むりむりむり!てか注連縄って神社にあるメチャクチャぶっといヤツでしょ!?人を縛るもんじゃないよ!祟られるよ!」



「それだけ幅広いセックスをしたいと言うことですよ」



 そう言うと、彼女は珍しく優しく私の髪を撫でてきた。



「別れた旦那さんしか知らない貴女知らないでしょうが、世の中には沢山のセックスがあるんですよ。…貴女が求めてる言葉は、たったひとつですが、それを表現する行為は数え切れないくらいあるんです。だから死ぬまで、私は告げてあげます」






 ――貴女の肉体に…直にね?




 低く甘く、そんな事をそんな綺麗な顔で囁くもんだから、わたしはもうそれ以上何も言えなくなってしまった。




「……うん。…わたしも、好き、よ…?」





 彼女が封じた、言葉以外は。



end


前作のおばさん目線のお話でした。下品な言葉満載ですみません(´;ω;`)

 

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