漫画、猫人間暮らし。

猫の母娘(ちよ、くー)、ハムスターのひまわり、人間のふわふわしたコマ漫画です。あとイラストや雑記。人間が若干患いがちな為、字が読みづらいと言うことは平身低頭にてお詫び致します、、!

ママ?パパ!完(novel)

 映画館を出て、昼食をとりながら先ほどの相談を再開し、議論を重ねた結果、一つの結論が出た。(今度はパパも必死に涙を堪えていた。まあ目は潤んでたから、やっぱり周りの人は悩殺されてたけど)


「そうですね。これなら以前のママのイメージもさほど壊れず、馴染みやすいと思いますよ」


「それだけじゃないよ。ちゃんと新鮮さも兼ね備えてるしね。…じゃ、行こうか」


「え、まだ早いんじゃないですか。折角久しぶりに会えたんですから、もう少しゆっくりしても…」


「う~ん…ゴメンパパ!今日の半分はアイツに使ってあげたいんだ。…アイツ、今日の為に半年も前から有給とっててさ、多分今頃家でやけ酒かっくらってると思うの」


 私の言葉にパパは切なく笑う。


「…そうですか…。ママ、いえ、……彼はもう、心を決めているんですね」


「パパ…。パパは、アイツをママと呼んでてイイと思うよ」


「ですが…」



「何でもアイツに合わせてちゃダメ。アイツはパパと別れて自分の人生を歩き出したんだから、パパもパパの思うように生きなくちゃ。…じゃなきゃ、もったいないよ。パパ凄いカッコイイんだから!」


 おねだりの時にしか見せない最高級の笑顔で、私は言った。


 

 それから私はお目当ての物を手に入れ、駅でパパと別れた。


 帰り際、前から用意していた小さな包みを渡して。

 それを受け取ったパパは一瞬驚いて、それから私の一番好きな顔で、有難うと呟いた。


 そして私も、こちらこそ今日は一日有難う、と返した。


 口実がなければ、気恥ずかしくてなかなか言えない言葉。


 有難う、パパ。

 ずっとずっと、感謝してるよ。

 今までも、これからもね。




「さあて次はアイツかあ」


 西に傾いた強いお日様が、私の決意を後押しする。


o

 私がコレを渡したら、アイツはどんな顔をするかな?

 どんな言葉を紡ぐかな?



 笑うかしら?

 泣くかしら?



 …どちらでもイイや。

 この半年間、アイツは本当に頑張っていたから。

 私は感謝とご褒美をあげるんだ。


 きっと私からの贈り物が一番嬉しいはずだから。



 自惚れなんかじゃない。


 生んでくれて有り難う。

 育ててくれて有り難う。


 それは私にしか言えない言葉。


 ママはやっぱりママだけど、私は今日だけ言ってあげるんだ。



 これからのヤツ…ううん、彼の人生を刻む、男性物の時計を添えて。






 パパ、いつも有り難うって。



end


母の日、父の日、懐かしい。

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